機内Wi-Fiで特徴的かつ日本人利用も比較的多いエアラインを紹介しよう。
ハワイアン航空
ANAもJALも国際線の主力であるハワイ路線で競合関係にあるハワイアン航空。同社では高速ネットサービスのスターリンクを主力機種(エアバスA330、A321neo)に導入している。スターリンクはオンラインゲームにも対応できるほどの高速Wi-Fi(詳細は後述)。しかもクラス問わず無料で時間制限なく使える。
カタール航空
スターリンクを導入する日本発着エアラインには、カタール航空も。日本での知名度はまだ高くないが、中東カタールで乗り継ぐことで欧州行きのフライトの選択肢がぐっと広がる、注目のエアラインだ。
シンガポール航空
マイレージ会員限定かつスターリンクほど高速ではないものの、ほぼ全機材(ボーイング737-800を除く)の全クラス無料かつ時間無制限で利用可能。ただし、動画視聴は難しいレベル感。
同社のマイレージプログラムはANAマイルにも変更可能だ。また、シンガポール航空は東南アジア各地やオーストラリア、南アフリカ、ロサンゼルスなど路線が広範囲で、マイレージ会員限定のセールの案内も届くので、会員になるバリューは大きいといえるだろう。
マレーシア航空
日本路線に投入機材の一部で無料、全クラスで時間無制限。マイレージ会員登録がなくても利用可能だ。ただし、動画視聴は難しいレベル。
このように、エコノミークラスで無料・無制限でWi-Fiが使えるエアラインが、衛星通信の普及により確実に増えている。
背景には、衛星通信の帯域幅の拡大が挙げられる。機内ネットサービス自体は、2008年に開始したAircell(現:Gogo Inflight)などのサービスがあった。が、地上の基地局に依存していたので、海上や極地では完全に接続が途絶えてしまった。
2010年代以降に、人工衛星を介して接続する機内Wi-Fiが登場。代表格が米ヴィアサットだ。同社のシステムは動画のストリーミングが可能な通信速度で、米デルタ航空や香港のキャセイパシフィック航空など数多くのエアラインに採用されている。
前述したANAの国際線の高速Wi-Fiも、ヴィアサット社を採用する計画だ。赤道の高度3万6000kmという超高度に静止する静止衛星を使うので、1つの衛星で広範囲をカバーできる。ただし、北極圏や南極圏では接続しにくいのが残る課題だ。