まず、2000年卒業者には、14万3000人の無業・フリーターが存在した。このうち初職で正社員になった人をトレースすると、卒業後、1~3年(未満、以下同)で4万3000人、3~5年で1万3600人、5~10年で1万6300人、10~17年で1万1800人。
加えて、卒業12年後までに非正規等から正社員になった人が2万5000人。合計すると、卒業後12年以内(=35歳まで)でも9万7900人、17年以内(=40歳まで)に10万9700人が正社員化している(卒業年が23歳と仮定する、以下同)。

大卒の多くは35歳までに
不安定雇用を脱している
このほかに、起業や相続等で経営者・役員になった人たちもいるので、「起業・相続等」も示した。こちらの総数も、35歳までで1万人、40歳までで1万1700人となる。
両者を合計すると、非正規や無業・フリーターなどから脱出できた2000年大卒男女は、35歳までで10万7900人(無業・フリーターのままは3万5100人)、40歳までだと12万1400人となる(無業・フリーターのままは2万1600人)。
(※ただし、学校基本調査では「無業・フリーター」14万3000人以外に「死亡・不詳」という括りがあり、前記の就業構造基本調査には不詳から正社員化等をした人も算入されている可能性がある。だが、その人数は不明なので、ここでは14万3000人を母数としておく)
新卒時に就職が厳しかった氷河期世代も、その不運に甘んじることなくチャレンジし続けた結果だろうし、政府の「本気の施策」も大いに奏功したはずだ。