「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「お手本が見えない」けれど努力を強いられる
リモートワークの浸透とともに、仕事のプロセスは、少しずつ“見えないもの”へと変わっていった。
かつてすぐ隣にいた同僚が、自分の努力を、試行錯誤を、言葉にしなくても見守ってくれていた。
しかしその風景は、いまやすっかり姿を消してしまった。
どれだけ尽くしても、伝わらない。評価されるのは、あくまで結果だけ。ただ、誰にも気づかれない努力だけが、今日もまたひとつ積み重なっていく。
「ロールモデルなき職場」の孤独
――何を学び、どう在ればいいのか?
職場の“ホワイト化”は、目指すべき像すらも曖昧にしてしまった。
かつては、誰よりも長く働き、数字を積み上げる上司が“理想像”だった。
今は違う。求められているのは、時間ではなくバランス。労働量ではなく、生産性。
「模倣すべき誰か」は消え、「背中を預けたい相手」も、もういない。
ロールモデルなき職場では、「自律」は孤独へと姿を変える。
立ち止まることは、後退ではない
急ぐ必要はない。自分の心の違和感に、目を向けるのだ。
その空白に、ただそっと佇(たたず)んでみる。「期待に応える人生」を終え、「意味を育てる人生」へと踏み出す。
不確かさに立ちすくむ時間は、感性が生きている証だ。
今、私たちに本当に必要なのは、「正解を探すこと」ではない。
誰も答えを教えてくれないこの時代において、「自分の言葉で、自分の道を語れる人」だけが、本当の意味で自由にたどり着ける。
「唯一無二性」を自分の中に“育む”
キャリアの迷子から抜け出す方法は自分だけのブレない強み=「唯一無二性」を手に入れることだと、私は考えている。
「唯一無二性」は、すぐに見つかるものでも、生まれ持った才能でも、あとから誰かに与えられるものでもない。あなただけのブレない強みは、いつだって、あなたの中にある。
けれどそれは、問い続ける者にしか見えてこない。あなたの中にある「違和感」「偏愛」、それらを見つけ、耕し、育てる――そうして時間をかけて実らせていくものだ。
「唯一無二性」は、狩猟的なプロセスでは見つからない。むしろ、自分という土地の豊かさに目を向け、丁寧に耕す農業的なプロセスによってこそ、確かな実感として、自分の中に生まれてくるのだ。
(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)