iPhoneとアルファードの画像写真はイメージです Photo:PIXTA

新型iPhoneや人気のアルファードを月々定額で利用できる「残クレ(残価設定型クレジット)」。経済評論家は「賢い買い方だ」と評価する一方、自身は「やらない」と断言します。賢いはずなのになぜ?そこには、販売店が教えてくれない、残クレの意外な落とし穴が…。一見お得な購入方法に潜む本当のリスクと、あなたが選ぶべき最善の選択肢を解き明かします。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)

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「残クレアルファード」は賢い!
どうして“ネットのおもちゃ”に?

 今日はiPhone17の発売日、新型のiPhoneを毎月定額払いで買うという人も多いと思います。2年契約で新品を購入して毎月決められた使用料を支払い、2年後に保証された残価で携帯会社に返却する契約です。

 これは車でもよく使われる方式で、特に人気のトヨタ・アルファードで残クレジット方式での購入が目立つと言われています。

 正確にはiPhoneは所有権の移らないレンタル扱い、アルファードは購入した資産の買い戻しとスキームは違いますが、人気で高額な商品を毎月定額の利用料で使えるという点ではどちらも広義の残クレ方式と言ってよいでしょう。この記事では便宜上、iPhoneについても残クレという呼び名を使わせていただきます。

 さて、残クレ方式での購入は経済学的に見てお得なのでしょうか?

 私はiPhoneとアルファードについては、いまの時点では賢い買い方だと思います。一方で私は残クレをやりません。理由は落とし穴があることと、より得する場合があることを知識として知っていることです。

 せっかくiPhone17発売で世の中が盛り上がっているタイミングですので、今回は残クレジット消費の経済学について、わかりやすく解説してみたいと思います。