高級車を比較的合理的な負担で乗り回すことができるので、これも経済評論家的には賢い買い方だと思います。

 さて、ここからが本題です。ネット上では残クレジットでアルファードに乗る人のことを「残クレアルファード」のネットミームで揶揄(やゆ)され、ネタ化する現象が起きています。

 なぜ賢い買い方をする人が小バカにされているのでしょうか?それは隠れたリスクがあるからなのでしょうか?その点を解説してみたいと思います。

 先に結論を言うと「残クレアルファード」をバカにする根拠は経済学的にはありません。

 アルファードはそもそも高級車です。しかも人気で恒常的に品薄です。ここが経済学的なポイントなのですが、人気で品薄であるがゆえに中古市場で高く売れます。だから残価を高く設定できて、消費者は有利な条件で購入できます。ここが「アルファードの残クレ購入は賢い」と私が考えるポイントです。

 一方、そのせいで起きたのが、庶民が残クレの制度を利用して格安で高級車を買う現象です。経済行動としては賢い買い方なのですが、それが「身の丈に合わない高級車の購入」に見えるので、それを小ばかにしたような動画が作られたりしたのです。

 実用性からアルファードの購入者には子持ちファミリーが多いのですが、外見から「子どもにキラキラネームをつけているんじゃないか」とか、たまたま出かけた場所から「ドン・キホーテしけいかないのに高級車か」などと揶揄されているのですが、実際は逆です。賢いから有利な条件で残クレ購入し、日常的にもお得な消費活動をして家族で楽しんでいるだけのはずです。

 ネット上では残クレが人気のためにアルファードが中古車市場に溢れることで、中古市場の価格が下落するんじゃないかと言う指摘まであります。これは消費者のリスクではなくディーラー側のリスクですから、ある意味で関係ありません。ただしアルファードについては輸出規制などの影響もあり、今後は残クレの条件が今よりも悪くなる可能性がありますから、これからの新車購入の際には注意は必要だと思います。

 では残クレの本当のリスクとデメリットは何でしょうか?