お金と心の負担が大きい…
「残クレの落とし穴」

 残クレの最大のリスクは、期限が過ぎた際に返却できないいわゆる「超過使用」を起こしたケースです。

 iPhoneの場合、2年の期限終了後の返却条件には画面割れなどの物理的損傷がないこと、カメラが使えないなどの機能不良がないこと、正規店以外での修理歴や改造などが認められると場合によっては超過使用と認定されて2万円程度のペナルティが課せられるか、最悪、返却できずに買い取りになってしまいます。

 アルファードの場合は走行距離が標準で月1000kmなどと決められるケースが多く、たとえば3年後に3万6000kmを超えていれば超過使用とみなされたりします。それ以外に事故歴や純正外パーツの装着、定期点検未実施などがあるたびにペナルティとして引取価格が減額されます。

 そのため、残クレで買った商品は大切に扱わなければならないということが心の枷(かせ)になります。安い町の修理店は使わず、高くてもディーラーやアップルストアを使う必要があります。さらには、強制されなくても保険やアップルケアなどにもきちんと入っておくべきです。

 そして残クレにはもうひとつのデメリットがあります。それは本当はもっといい条件で買えたり、売ったりすることができるかもしれない機会ロスがあることです。

 これはある意味、経済学的にはあたりまえの話です。残クレで販売するということは販売店が中古を引き取るリスクを負うことになります。そのリスクをカバーするために、販売時にはコストを上乗せしますし、引き取り条件の残価も市場価格よりも低く設定する必要があります。

 具体的にはアップルからiPhone17を買えば256GBで12万9800円ですが、携帯電話会社の販売店では一括払いの端末代金がA社の場合15万2900円だったり、B社の場合14万6800円だったりと高めに設定されるのです。

 車の場合はローンを組まされるうえにローン金利が残価の部分にもかかっていますし、車両保険に入ることが契約の必須条件になっているケースが多いことなど、普通に買う場合よりもコストは上乗せされます。