面談をよりよく進めるためには、準備が大切!

 面談をよりよく進めるためには、準備が大切です。以下、その流れをまとめます。

(1)事前準備

 面談の目的とゴールを明確にします。面談場所は静かでプライバシーが守られる空間を準備する必要があります。場合によっては、役割として第三者の記録係などを置くケースもあります。また、録音など、記録を取っていいかどうかも事前に本人に確認する必要があります。

(2)導入(アイスブレイク)

 面談の目的を説明し、安心感を与えましょう。「今日は今期の業績についてフィードバックするためにお時間をいただきました」「今日は事実確認のためにお話を伺います」などと具体的に伝えます。

(3)フィードバック

 いつ、どこで、誰が、何をして、どうだったのかを具体的にフィードバックします。相手の納得度や感情や受け止め方も確認します。(例:「ご自身では考えますか?」「どう感じましたか?」)

(4)確認と整理

 相手の話を否定せず、事実と感情を分けて整理しましょう。また、必要に応じて記録を取ります。

(5)クロージング

 今後のことについて伝えます。できれば、感謝や期待なども伝えられるとよいでしょう。

部下との面談での対応ポイント

 では、今回のケースに戻って、泣くことを前提としているような態度の部下との面談は何に気を付けたらいいのでしょうか。以下、気を付けてほしいポイントをまとめます。

(1)感情の予告を受け止める

 ハンカチを机に置くという行為は「これから感情があふれるかもしれません」という非言語的なサイン。それを「泣く気まんまん」と捉えるより、「安心して感情を出せる場を求めている」といったん考えてみましょう。

(2)場の空気を整える

 面談の冒頭で「今日は安心して話せる場にしたいと思っています」と伝えることで、防衛的な態度を緩和できます。表情・声のトーン・姿勢を柔らかく保ち、緊張を和らげる雰囲気づくりを心がけましょう。

(3)泣き始めたら、話を止めて待つ

 感情が高ぶっているときに話を続けるのは逆効果です。「大丈夫ですよ。落ち着いてからでいいので、ゆっくり話しましょう」と受容的な言葉をかけ、静かに待つのがベストです。

(4)泣くことを否定しない

「泣かないで」「泣いても仕方ない」などというのはNGです。「涙が出るほど、いろいろな思いがあるんですね」と感情の存在を肯定する言葉が信頼につながります。

(5)面談の目的を再確認する

 感情が落ち着いたら、「今日は○○について一緒に考えたくて、時間をいただきました」と目的を丁寧に再提示しましょう。感情に流されすぎず、意識的に話を戻すことで、面談の軸を保てます。