
北欧のライフスタイルを発信しているラウラ・コピロウ氏によれば、フィンランド人にとって“休む”ことは、単なる息抜きではなく、自分を回復させる重要な営みだという。忙しさに追われがちな現代人に伝えたいフィンランド流の「休み方」とは?※本稿は、ラウラ・コピロウ『フィンランド発 幸せが見つかるライフスタイル』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。
仕事中のコーヒーブレイクを
大切にしているフィンランド
フィンランド人の一人当たりのコーヒーの消費量は何年も1位です(*1)。仕事や長い作業の合間に「コーヒーブレイク」という短い休憩をとる習慣が根づいていることがその理由の一つかもしれません。
日本の場合は、労働基準法で休憩時間が定められていると思いますが、フィンランドでは、お昼休憩とは別の小休憩「コーヒーブレイク」を取る権利が保証されています。このコーヒーブレイクは、「kahvitauko(カハヴィタウコ)=コーヒーブレイク、休憩」と呼ばれます。
例えば、1日の労働時間が6時間以下の場合は、食事休憩はなく、コーヒーブレイクだけ1回10分から15分程度、6時間以上の場合、30分の昼休憩とコーヒーブレイクも1回、そして労働時間が8時間以上の場合30分の昼休憩とコーヒーブレイクは2回などと法律で決められています。
そしてこの時間は、もちろんコーヒーを必ず飲まないといけないわけではないので、紅茶でも、お水でも、何も飲まなくても、休憩を取る権利は変わりません。ただ昔からフィンランドではコーヒーが愛されてきたということもあり、コーヒーブレイクと呼ばれています。
(*1)フィンランドの国営放送「Yle(ウレ)」/2023年10月29日掲載https://yle.fi/a/74-20055812