スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の人生を取り戻す「完璧な習慣」』より、特別に一部を紹介する。

メールが勤務時間の大半を奪っている
僕ら2人は昔、からっぽの受信箱はデキるビジネスマンの証だと信じていた。
デビッド・アレンなどの生産性向上の専門家に触発されて、受信したメールを1つ残らず処理することを長年日課にしていた。
ジェイクときたら、グーグルでメール管理講座を開き、受信箱を空にすることの大切さを同僚数百人に説いていたほどだ。
受信箱を空に保つことには、それなりの意義がある。
メールを全部片づけてしまえば、仕事をするあいだ、気を散らされない。受信箱から去る者、日々に疎しだ。
これは、たしかに毎日数通しかメールを受け取らない人には有効なテクニックだ。
だが僕らを含むほとんどのオフィスワーカーは、数通どころではないメールを日々受信する。
いつしか、メールは僕らの手に負えなくなった。
仕事に集中できるようにメールを片づけているはずが、メールの処理が本業のようになってきた。
早く返信すればするほど、ますます返信が殺到し、すばやい返信を期待されるという悪循環に陥っていった。
チェックを減らすと、メール処理の効率が上がる
毎日ハイライトの時間をつくるようになると、猛烈なメール処理をやめなくてはと思った。
そんなわけで僕らはここ数年ほど、受信箱にブレーキかけている。
簡単なことじゃないが、レーザーモードに入ってハイライトをやり遂げたいなら、僕らのように受信箱のペースを落とすことを勧めたい。
見返りは、レーザーモードにとどまらない。メールチェックの頻度を下げると、ストレスが減るうえ、無制限にチェックした場合と変わらず状況を把握できることがわかっている。
ブリティッシュコロンビア大学の2014年の研究によれば、メールチェックを1日3回に制限された人は、(好きなだけチェックした人に比べて)ストレスが大幅に減った。
研究者のエリザベス・ダンとコスタディン・クシュレヴは、「メールチェックの回数を減らすことには、暖かい南の島で泳ぐことを1日に数回想像するのと同じくらいのストレス低減効果がありそうだ」と書いている。
そして意外かもしれないが、メールチェックの回数を減らした人は、メール処理の効率が上がった。
チェックの回数を1日3回に限定したところ、その週、ふだんとほぼ同数のメールに返信したが、所要時間は20%少なかった。
メールチェックの回数を減らすことによって、時間が生まれたのだ。
(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の人生を取り戻す「完璧な習慣」』からの抜粋です)