せっかく、自分でお金貯めて買ったとしても『親から買ってもらったんだろ』『どっかのお嬢様なんだな』なんて見られちゃう。
そうじゃなくてさ、国産の安いやつだけど、ちょっと気が利いてんじゃんそれ!って時計を、使ってるほうがよっぽどかっこいい。
見た目がおもいっきり文系で海が大嫌いっていう人がさ、何百メートルまで水圧に耐えます!みたいな高級ダイバーズウォッチを買いがちじゃない?でも「お前泳げないじゃん!」って。それは、非常にかっこ悪いよね。
ピカピカのスーパーカーよりも
使い込まれたトラックがかっこいい
編集部:本人は大満足しているだけで、周りが見えていない状態ですね。
所:そう、本人大満足だけど、実は落とし穴に入っちゃってる。モノに負けていると言うか、モノに振り回されてる状態、もう、落とし穴の底の方まで行っちゃってる。
例えば、新車買ったら、毎週ピカピカに洗車してきれいにしちゃうっていうのもそうだよね。自分のは1万キロ乗ってても、新車みたいだ!って、いやいや、でも、その車のもっとピカピカなのはショールームにあるじゃん……。
私もたまに洗車することあるけど、途中で思うよね、「俺、車の管理人になってるじゃん!」って(笑)。ウチにはたまたま変なクルマばっかりあるから、ショールームの新車と比べるわけじゃないけどね。
でも、ディーラーで売ってる車をピカピカに磨いて、誰も触るな!汚すな!なんて始終気を遣って、そのうち売っちゃったりしたら、それこそ、中古車販売業になっちゃっているわけでしょ?
自分の持っているクルマは、同じ車種の中でも一番かっこいい!としたいならば、自分の生活の中で、おもいっきり使い倒すの。
農家の人が、10年、20年と使い続けたピックアップトラックなんてすごく素敵じゃん。錆びたり、凹んだりしてても、農道にポツンと止めてあると画になる。逆に、新車並にピカピカのピックアップが農道にあっても、嘘くさくて見てられないよね。
クルマじゃなくても、例えば、アイスボックスだって、ホームセンターで青と白のプラスチック製の新品より、アルミで使い込んであるやつのほうが、味があってさ、キャンプに持ってってもカッコいいじゃん。