価値あるクルマこそ
乗り倒すことで輝きが増す

編集部:確かに!ということは、つまりなるべく古くて味のあるものを買えば良いんですね。

所:そーじゃない(笑)。そうなると、話はまた変わってきちゃう。そこは、センスになってくるんだな。何もかも、新しいのが良いって考えない事が大事だ、って言いたいわけですよ。

 クルマを洗車する話をしたけど、洗車している途中に、太陽の暑さを感じたり、ホイールに水を当てて反射する角度を楽しむ水遊びにしたり、ボディにかけないで、上の方に水を吹き出させて、虹を作って子供に見せたり、という事を楽しむの!

 洗車より、そういう感覚が上回っているのが大事、それがセンス。汗水たらして、ここにまだ、汚れが残ってる!じゃないんですよ。

編集部:洗車を水遊びと定義すれば、遊びの幅が広がりますね。

所:古くて味がある、って感じられるのは、その人のセンスだから。今、昔の国産スポーツカーがものすごい高値で取引されてるけど、私はひとつも欲しいと思わないもんね。

 それこそ、昔のフェラーリが何億円で取引されてても、いやいや、出して60万円かな~って。そもそもね、私は古いアメ車に300万以上出さないから。それ以上出したら、カミさんに怒られる(笑)。そのもの1個に対する、自分なりの価値観を磨くって大事だよ。

編集部:では、所さんが、モノに対する価値観のベースに置いていることってなんですか?

所:古かろうが、新しかろうが、自分の生活の中に落とし込めるかどうかって事だね。どんなにカッコいいクルマでも、バイクでも、使えなきゃだめ。

 私の持ってる、古いクルマやバイクも、実際に使えるように、エンジン、足回り、ミッションは最新のモノに換えちゃってるから。ハンドル重けりゃパワステ付けちゃうし。

 いわゆる、マニア的な人からしたら、オリジナルになんてことをするのだ!って怒り狂う状態(笑)。だけど運転しづらくて、使えないんじゃ、意味が無い。私の場合、気に入ったクルマやバイクで、ホームセンター行ったり、髪を切りに行ったりするのが生活だから。クルマはメインじゃないんだよね。