ファミマの「麻辣花生」で命拾い?
あらゆる眠気覚ましを凌駕する
ここ1、2年の話である。私には週に1~2回、車で片道120分くらいかかる距離を往復する用があった。まあまあな距離といっていい。
朝の行きはまだ元気でも、夕方帰る頃には疲れていて、その状態で2時間の運転をして無事帰宅せねばならない。毎回かなり緊張していたが、眠気がきざしてくるのを避けることはできなかった。
車内換気、音楽、眠気覚ましドリンクや清涼タブレット、太ももつねり、太ももパンチ(通称ももパン)、太ももにペンを突き立てるなど、あらゆる眠気対策を試してきたが、対策を講じたその一瞬は覚醒できても根本的な眠気を取り除くことができずまたすぐ眠くなってしまう。
そんな中もっとも効果を上げたのが「辛いものを食べる」であった。ミント系のすっきり爽快なベクトルのものではなく、唐辛子系の辛いものである。「ある程度辛くて、どこにでも手に入りやすくて」ということで重宝したのが「暴君ハバネロ」というスナック菓子であった。
これを運転中に食べると、辛さで眠気を押しやることができたのである。眠気を押しやってしばらくすると脳が覚醒のパターンに入ってきて眠気とは無縁になることができる。暴君ハバネロは眠気を数十分かわすための素晴らしいトリガーとなって機能していた。
しかし最初はあれだけ辛く感じた菓子も、何度も食べるうちに耐性が付くのか物足りなさを覚えるようになってくる。依然としてうまいことはうまいのだが、眠気を彼岸に押しやるのが難しくなってきていた。
そんな折に出合ったのがファミリーマートで売られている「麻辣花生(マーラーピーナッツ)」であった。花椒のきいたピーナッツと、輪切りの唐辛子がふんだんに入ったおつまみ系のスナック菓子で、この威力がすさまじかった。
もう、一旦どこかに停車して仮眠でも取らない限り運転は難しいんじゃないか……と感じるほどすさまじい眠気を、この麻辣ピーナッツはひと口食べるだけで毎度吹き飛ばしてくれるのである。花椒のしびれる辛さは眠気に直接作用する感じがあり、眠気覚ましとして相性がいいのかもしれない。