「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「会社で最初に現れる異変」とは
売上の減少には、必ず予兆があります。
その「異変」に早く気づけるかどうかが、組織の生死を分けます。
多くの企業は、売上の数字が目に見えて下がるまで手を打てませんが、本当に見るべき兆候は、もっと前に現れています。
今回は、売上が落ち始める前に起きる「最初の異変」について考えます。
異変は「会議の空気」から始まる
売上が下がる前に、会議の空気が変わります。
議論が活性化しない、意見が出ない、誰かの顔色をうかがってばかりいる――。
そんな静かな会議こそ危険信号です。
売上とは、現場の熱量と直結しています。
熱を感じない会議の裏には、すでに現場の停滞が始まっているのです。
「おかしい」と言う人がいなくなる
現場で起きている小さな問題や違和感を、「おかしい」と声に出せる人がいなくなると危険です。
売上が下がり始める前に、報告や相談が減り、リスクが見えなくなっていきます。
これは「売上の減少」ではなく「健全な警告機能の喪失」であり、数字よりも深刻な異変です。
謎の「楽観ムード」が漂いはじめる
売上が落ち始めているのに、「まあ何とかなる」「今期は特殊だから」と根拠のない楽観が広がる組織も要注意です。
この段階で、「まずいかもしれない」と危機感を持てるチームかどうかで、その後の手の打ち方に差がつきます。
「うちの強みは?」「顧客が離れている理由は?」といった本質的な問いが出なくなるのも異変の一つです。
売上が落ちるときほど、表面的な対処に走りがちになりますが、その空気こそが、業績悪化の連鎖を引き起こします。
「静かさ」は鈍化のサイン
売上が落ちる時、最初に現れる異変は「静かさ」です。
報告、議論、警告――。
すべてが静かになっていく。
これは「うまく回っている」のではなく、「何も起きていないように見せかけている」に過ぎません。
異変は音ではなく、沈黙から始まるのです。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。










