「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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チームが静かすぎる時に疑うべき「3つのサイン」
一見、穏やかに見えるチーム。しかし、過度な「静けさ」は、健全な組織の証ではありません。
むしろ、何も起きていないように見える裏側で、メンバーの主体性や心理的安全性が失われているケースは少なくありません。
今回は、「静かなチーム」に潜む3つの危険サインを紹介します。
サイン①:「質問」が消える
活発なチームほど、「なぜ?」「これでいいですか?」「やってみていいですか?」といった質問が飛び交います。
しかし、静まり返ったチームでは、メンバーが指示だけを受け取り、思考を止めた状態に陥っていることがあります。
「質問が出ない=理解している」ではなく、「考えることをやめている」という可能性を疑うべきです。
サイン②:「対話」が表面化しない
ミーティングや日常のやり取りで、誰も反応せず、発言が一部の人に偏っていくときは要注意です。
これは意見を述べても意味がないと感じているか、発言への恐怖を抱えているサイン。
表面的な「問題なし」の裏で、不満や疑念が静かに蓄積されています。
対話がない組織は、やがて感情の洪水で崩壊します。
サイン③:「笑い」が消える
意外にも重要な兆候が「笑い」の消失です。
雑談の中での冗談や、軽口のやり取りが消えると、メンバーは警戒モードに入っている可能性があります。
これはチームが「攻撃に備えて黙る」という、防衛的な行動に出ている状態です。
笑いは、心理的安全性のバロメーター。
これが消えたチームに、創造性や挑戦は生まれません。
静けさは「前兆」かもしれない
仕事が順調で、特にトラブルがないように見えても、「静かすぎる」と感じたら、まずは上記3つのサインを確認してみてください。
静けさの裏には、摩擦が消えたのではなく、意見が封じられたという現実があるかもしれません。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。










