「きれいなものが大っ嫌いなところ」が好き…ついにばいきんまん誕生!【あんぱん第127回】『あんぱん』第127回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は第127回(2025年9月23日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

ばいきんまん、子どもたちに大人気。「きれいなものが大っ嫌い」

 残り4回。今日もギュウギュウ。

・トピックス1 ばいきんまん、誕生 
・トピックス2 八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実) 
・トピックス3 健太郎(高橋文哉)、カレー店をはじめたい。
・トピックス4 ドキンちゃん登場
・トピックス5 3人の母、亡くなっていた。

 のぶ(今田美桜)は写真店の店主・堀井満(石橋蓮司)の3歳になる孫が『あんぱんまん』(絵本は平仮名表記)を気に入っていると聞いて、勇気をもらい、嵩(北村匠海)に伝える。

「あんぱんまんの精神が伝わっちゅうがよ」
 嵩も「小さい子どもたちはなんの先入観もなく欲得もなくどんな権威も関係ない純粋無垢な魂をもった批評家だよ」と満足げ。

 そして、新キャラを思いつく。
 ミュージカルを経て、悪役の必要性を感じた嵩は、ばいきんまんを思いついた。

 史実では、ミュージカルも初演のあと、定期的に上演されるようになって、ばいきんまんも登場するようになる。

 ドラマは1978年になり、ばいきんまんも加わった『アンパンマン』の人気は上がっていく。ばいきんまんは子どもに大人気。

「きれいなものが大っ嫌いなところ」が好きという子どもの素直な感想が可笑しい。確かに子ども時代はドロんこになって遊ぶのも、う◯こも好きだったりする。

 子どもたちが帰ったキューリオで、嵩とのぶと蘭子と八木の4人がお茶をしている。蘭子が嵩に、ばいきんまんは敵だがアンパンマンは彼を死なないように戦っているのはなぜかと訊ねる。
 ばいきんまんもまたアンパンマンに止めを刺すことはない。それがほかのヒーローものとは違うと蘭子は気になっていた。

 嵩には明確な意図があった。