林芳正官房長官Photo by Masato Kato

自民党総裁選挙に立候補している林芳正官房長官が、ダイヤモンド編集部の単独インタビューに応じた。林プランと題した公約で、「1%程度の実質賃金上昇」の定着を掲げている。どのようにして成し遂げるのか。インタビュー完全版では、5000字超にわたり、林氏自らその道筋を明かした。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

デフレ脱却で、実質賃金がプラスの月も
これまでの経済政策の達成度は「8~9割」

――自ら内閣官房長官として支えてきた、石破茂政権と岸田文雄前政権の経済対策についての評価を教えてください。

 少しさかのぼると、安倍晋三政権のアベノミクスを、菅義偉政権で引き継ぎ、「デフレではない状態」まで持ってくることができました。岸田政権では、「新しい資本主義」を掲げ、実質賃金がプラスとなる月も出てきた。かつてであれば考えられないことです。

 これを石破政権でも引き継ぎ、さまざまな施策を取ったことで、同じく実質賃金がプラスの月が出てきました。

 坂で言えば、8~9割まで上ってきたといえるでしょう。(自身が総裁となった際には)実質賃金のプラスを定着させ、継続していきたいと思っています。

――坂を8~9割まで上ってきたとありました。実質賃金のプラスに向けた課題や懸念は何でしょうか。

次ページ以降では、公約「林プラン」で掲げる「1%程度の実質賃金上昇」の定着をどのようにして成し遂げるのか、その道筋を具体的に明かした。コストプッシュ型の物価上昇を、デマンドプル型に変換するための方策とは。