
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年半続けてきた著者による「読んだらもっとドラマが見たくなる」連載です。本日は、第2回(2025年9月30日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
岡部たかしと岡部ひろき、名前が似ている。
この朝ドラが当たるかどうか、第1週ではわからない。近年、子役週は評判が良いものだからだ。
本番は子役週が終わってから。ただ、『ばけばけ』の第1、2回を見て、これだけは言える。
しじみ汁、絶対飲みたくなる。
トキの子役・福地美晴のしじみ汁の飲み方と飲み終わったあとの「あーー」が最高だ。
しじみ汁からはじまった第2回。文明開化の真っただ中。松江ではちょんまげを結っているのはもはや司之介(岡部たかし)と勘右衛門(小日向文世)くらいになっていた。
なんだか居場所がなく、仕事もなく、一家の家計はフミ(池脇千鶴)の内職で賄っているが、貯金がつきそう。このままでは「野垂れ死に」してしまう。
学校では、「野垂れ死に」しないためにはどんな仕事をしたらいいか、教師・谷川原(岡部ひろき)が子どもたちに聞いている。
医者になるという子もいれば、野津サワ(小山愛珠)は教師を目指すと言う。女性は男性に比べて稼げないうえ、仕事が限られる。そんななかで教師は女性でもなれる可能性が高かったようだ。
ここで気になるのは、第1回でトキ(福地美晴)の父を否定していた教師・谷川原。クレジットで岡部ひろきとあって、岡部たかしと紛らわしい。彼は岡部たかしの息子である。『虎に翼』でも絡みはないが父子共演を果たしたが、今回、2度目の父子で朝ドラ出演を果たした。
谷川原の司之介への冷たい言い方は、実の子が言っていると思えばまあいいかという気にもなるような、ならないような。ここで勝手に予想。小日向文世の息子もどこかで出演するのではないか。しじみ汁ヒットと父子共演に100ペリカ。