
ウサギはウサえもんと名付けられ、家族の一員に
主題歌の歌詞は不安ながら、タイトルバックの写真のふたり(トキ〈高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」〉とヘブン〈トミー・バストウ〉)がとても幸せそうなので、なんとかなりそうな気がしてしまう。
ドラマ開始わずか3日で、たとえ野垂れ死にそうになってもなんとかなりそうな気分にすでになってきた。暮らしぶりがどんなに貧しくてもしじみ汁さえあればいい。テレビの影響って大きいなあ。はあ〜。
「とうとう動き出したわね」とフミ。
立ち尽くしていた司之介がついに一歩、踏み出した。
無理をしていないだろうかと心配するトキもよくできた子だが、無理をしているのは感じるが見守ろうというフミの懐の大きさ。池脇千鶴の包容力ある演技に説得力がある。
ひとり、勘右衛門(小日向文世)はゆるさない。なぜウサギなのか? と司之介を問い詰める。
「うさぎのぼりと申しまして」
それはうなぎのぼり。
トキが勘右衛門と司之介の間に割って入り、その場は事なきを得た。非常にいい家族関係だ。
ちなみに、週刊朝日の『値段史年表』のうな重のページを開く。明治10年(1877年)、うな重は20銭(東京での価格)。600円あったらうな重食べ放題。
数週間後、桜が咲いて、町が明るくなり、ウサギ商売も見事にもうかった。600円とまではいかないが200円のもうけになって「おまかせあれ〜」と調子にのる。
あんなに商売を忌み嫌っていた勘右衛門もウサギとすっかり仲良くなっていた。
「拙者ウサえもんと申します」「ごようしゃを〜ごようしゃを〜」とウサギになりきっている。
ウサギにもちょんまげをつけて、ウサギも武士設定にしているところが勘右衛門らしい。
トキはお姫様。「ならにならぬ〜」「ゆるすまじ」と返しているのがかわいい。
世が世なら、トキもお姫様としてお屋敷で暮らしていたのだろう。そう思うとほっこりかわいい場面にも少しだけ胸がうずく。