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様々な研究を見ていくと、「リスク回避度」や「競争的な環境を好むかどうか」について、男女での違いが浮かび上がってきた。この違いは、「男女の賃金格差問題」にどう関わっているのか。※本稿は、大湾秀雄『男女賃金格差の経済学』(日本経済新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
リスクに対してポジティブな男性と
ネガティブな女性という傾向
男性と女性のリスクに対する選好、つまりリスクに対する愛好度/回避度に違いがあることは、心理学研究では1970年代から知られていた。
経済学では、1980年代からギャンブルや飲酒、ドラッグ、犯罪といったリスクの高い行動あるいは職業選択における男女差に着目した研究が始まり、1990年代後半の実験経済学の広がりの中で、様々な実験室実験で男女間のリスク選好の違いが検証されてきた。
そこで明らかになったのは、環境や文化やリスク回避度を計るタスク内容にかかわらず、一貫して女性は男性よりもリスク回避度が強いということである(注1、注2)。
注1 Eckel, Catherine C and Philip J. Grossman(2008)“Men,Women and Risk Aversion:Experimental Evidence”,In Handbook of Experimental Economics Results, Volume 1,ed.Charles Plott and Vernon Smith, 1061-1073.New York Elsevier.
注2 Croson, R. and U. Gneezy (2009) “Gender Differences in Preferences”, Journal of Economic Literature 47: 448-474.
注2 Croson, R. and U. Gneezy (2009) “Gender Differences in Preferences”, Journal of Economic Literature 47: 448-474.







