有料プランへ加入してみよう

 すべてを完璧にこなせる万能AIは存在しない。それぞれのAIの特性を理解し、自分の目的や状況に合わせて最適なツールを選ぶか、複数のツールを組み合わせて使う必要がある。また、自分で使ってみた結果、上記の特徴は当てはまらないと感じる人がいるかもしれない。使ってみて、自分なりにそれぞれのツールの特徴をとらえることも重要だ。筆者もChatGPTとGeminiは常時併用し、生成された内容を使いわけている。これが「AIを使いこなす人」になるための重要な鍵となる。

 メインで使う生成AIが決まったら、まずは無料プランから試してみるとして、筆者としては有料プランへの課金をおすすめする。やはり本格的に使用するには無料プランでは限界があるし、有料といっても驚くほど高いわけではない。仕事に活かすことができれば、すぐに元が取れるだろう。社員に有料プランを提供している会社もあるが、その場合はチャンスを活かさない手はない。ただし、業務で使用する場合、情報セキュリティの観点から、会社で提供するサービス以外の使用を許可されない場合もあるので要注意だ。

AIのポテンシャルを引き出す「指示」の技術

 最適なAIツールを選んだとしても、それだけで望む成果が得られるわけではない。優秀な人間の部下がいることと、上司のあなたがその優秀な人間を使いこなせるかどうかは別問題だ。AIに指示を与えることを「プロンプト」というが、質の高いアウトプットを引き出すには人間側からの指示が決定的に重要になる。AIを使いこなすには、優秀な部下やアシスタントに仕事を依頼するように、的確でわかりやすい指示をAIに出すスキルを身につけることが不可欠だ。

 ChatGPTのようなAIは人間が与えた指示(プロンプト)に基づいて応答を生成する。この指示があいまいだったり情報が不足していたりすると、AIはユーザーの意図を正確にくみ取ることができず、見当違いの回答やありきたりな内容しか返してくれない。