パソコンの前でExcelやPowerPointとにらめっこ。そんなつらい業務時間が、米マイクロソフトなどが市場に投入する生成AIによって劇的に改善するかもしれない。AIによる未来の“爆速仕事術”はどんな世界なのか。特集『ChatGPT完全攻略 最新・仕事術革命の決定版』#8では、マイクロソフトと米グーグルの最新のデモから、生成AIが日常業務をどう変えるかを追った。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
Excel&パワポに使われる業務時間は26%
生成AIは日常業務をどう変えるのか
「明日までにデータの要点をまとめて」「急ぎでプレゼン資料を作って」
ビジネスパーソンならばそんな場面に遭遇したことがあるだろう。「誰か代わりにやってよ!」と思わず叫びたくなるものの、誰も助けてくれないのが世の常だ。しかし、AIに頼めばあっという間に仕事を完了してくれる未来がすぐそこまで迫っている。
既存の全サービスに生成AIを導入する勢いで開発競争を繰り広げる米マイクロソフトと米グーグル。表計算やスライド、文書作成などの両社の業務用アプリにももちろん生成AIの搭載を急ぐ。
マイクロソフトは3月に「Copilot」(副操縦士)と名付けたサービスを発表。グーグルも対抗するように5月、二重奏を意味する「Duet AI」を打ち出した。両社共に、AIの役割は人間の手助けだという点を強調するネーミングで、「AIに仕事を奪われる」という批判をかわしたいという思惑があるのだろう。
実際に、表計算やスライド作成に費やす業務時間の割合は少なくない。マイクロソフトが5月に発表したレポートによれば、業務用アプリ「Microsoft 365」のアプリ別の利用時間のうち、Excelは18%、PowerPointは8%を占める(下表参照)。業務時間の実に4分の1以上がExcel、パワポに使われているのだ。
AIの手助けにより、この時間をぐっと短縮することができれば、生産性は劇的に向上する。そして、両社が披露した新サービスのデモは、生成AI搭載による劇的な“仕事革命”を予感させるものだった。
次ページでは、マイクロソフトとグーグルの最新のデモから、日常業務を激変させる生成AIを搭載した業務ソフトのインパクトを詳報する。