1試合平均の打席数はそれほど差がないように感じますが、1つ打順が下がるごとに年間143試合の平均打席数は15.7打席少なくなります。
1番と4番の場合、平均で見ると44.2打席も少ないのが分かるでしょう。これだけ違うと、チームのヒット数にも違いが出ます。
続いて同じように打順別の平均安打数を調べてみました(表2)。

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トータルでの打席数が多い1番が最多安打していますが、2番より平均13.6打席も少ない3番が、安打数で上回っています。2番より28.4打席少ない4番も1.5安打しか変わりません。2番と3番、もしくは2番と4番の順番が逆なら、安打数はもっと変わっているはずでしょう。
王貞治を最適な打順に置いたら
通算本塁打はもっと増えていた
この数値を見ても、まだピンとこない人もいるでしょう。現役通算868本塁打の世界記録を持つ王貞治さんの本塁打率は、10.65です。つまり少なく見積もっても、11打席に1本の割合でホームランを打っていたことになります。
そうやって考えると、王さんが4番ではなく1番を打っていたとすると、少なくとも1シーズンの本塁打数が4本は増えていたはず。現役生活は22年間なので、88本塁打がプラスされ、通算868本塁打は956本になります。とてつもない記録がさらにスケールアップします。
もう少し仮定の話をすると、王さん、長嶋茂雄さんの「ON砲」が3、4番ではなく、1、2番を打っていたとすればどうなるでしょう。
長嶋さんの通算本塁打率は18.22です。18打席に1本塁打したとすると、1シーズン1番打者で44打席増えると、2~3本塁打が加算されます。