自治体が自由に使えるとはいえ、地方経済が潤うことで賃上げにつながることが必要です。その点では「生活支援」というネーミングがついた「特別地方交付金」という縛りを入れたことで自治体ごとに住民の生活について考えさせる効果はあると思います。
加えて重要なことは、自民党の地方組織にアピールしている点です。次を狙っているのだとしたら、まさに策士といえそうです。着眼点の良さを評価して84点とさせていただきます。
最後に小林候補です。高市候補と同じく減税・給付が主軸の主張です。2年程度をめどに定率減税を実施し、ガソリン税の暫定税率も早期廃止します。また地方交付金を増額することを通じて低所得者層への直接支援を強化する政策です。財政規律維持のため赤字国債の増発には慎重な一方で、経済成長を通じて実質賃金を引き上げるとも主張します。
小泉候補のときにも申し上げたのですが「両方やる」という主張にとれる点が多々あり、経済評論家の視点ではその効果については小林候補についても減点させていただきたいと思います。
小林候補の主張に「世代交代」や「中間層や現役世代」といった言葉が多くみられるところから推察するに、実際には若い世代重視の政策を推進することで総花的ではなく選択と集中を実行しようと考えているかもしれません。その場合は政策として加点評価してもいいかもしれません。
一方で心配な点としては党内の「高齢者ファースト」の思想と真っ向から対立する点で、実現性が不安です。個人的には82点と評価させていただきます。
経済評論家の立場で申し上げると、政策としては賃金派も減税・給付派も、物価高対策としてはどちらも「アリ」だと思います。どちらもアリなのですが、重要なことはどちらかを選んで実行することです。
さて、総裁選の論点は経済だけではなく、日本の課題は山積みです。そのような中での石破総理総裁の後任になるという点で、イチ国民としての期待を再度申し上げておきます。
「言った以上、実行してくださいね」
国民としての強い願いはここにあります。