自民党総裁選候補者の集合写真Photo:JIJI

10月も続く食品値上げラッシュで、実質賃金は7カ月連続マイナス…。生活が苦しくなる中、自民党総裁選の候補者たちはどんな物価高対策を掲げているのでしょうか?「賃上げ」か「給付・減税」かで各候補の主張は真っ二つ。経済評論家がその実効性と実現性を徹底比較し、シビアに採点します。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)

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10月も食品値上げ
「ポスト石破」の対策案は?

 10月はまたも値上げラッシュです。帝国データバンクによれば10月の飲食料品の値上げは3024品目にのぼります。さらに1回あたりの値上げ率は平均で17%と家計をさらに圧迫しそうです。

 総裁選まっただなかの9月26日には速報値でプラスだった7月の実質賃金も、実際は0.2%のマイナスだったと修正されました。これで値上げが続く今年の実質賃金は7カ月連続でマイナスです。

 自民党の総裁選ではこの物価高対策が争点のひとつになっています。この記事では5人の候補の政策を比較し、採点してみたいと思います。

 その前に経済評論家の立場で、ひとつ自民党にクレームをいれさせていただきます。今年の参院選でも物価高対策は大きな争点でした。減税を主張する野党に対して石破政権は2万円の給付金政策を公約としました。さらに選挙戦終盤では、森山幹事長がガソリン税の暫定税率廃止を打ち出しました。

 個人的に「これぐらいの政策が妥当だろう」と感じ、野党ではなく自民党候補に投票したのですが、自民党はこの公約を実行していません。次の総裁にはこういった体質も「変えてほしい」と願います。

 さて、国民の生活が苦しくなる一方の状況で、各候補はどのような物価高対策・家計支援策を打ち出しているのでしょうか?