モヤモヤする既読スルー…心を一瞬で軽くした“魔法の言葉”とは?
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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客観的な視点が心を軽くする
今日は、客観的に物事を見ることがいかに心を楽にしてくれるか、そして、そのためには他人のアドバイスがいかに重要かというお話をします。
自分一人で客観的になろうとしても限界があるため、誰かに相談し、話を聞いてもらうことは非常に大切なことだと感じています。
既読スルーに悩んでしまった出来事
なぜこのような話をするかというと、先日、私自身が深く悩んでしまう出来事があったからです。
以前、お仕事でご一緒した方から、ある親切な対応をしていただいたことを後から知りました。それに気づき、感謝の気持ちを伝えたくて、少し長めのLINEを送ったのです。「本当にありがとうございました。またよろしくお願いします」といった内容でした。
しかし、そのLINEに既読はついたものの、返事がなかったのです。
一人で抱え込む思考の限界
たったそれだけのことなのですが、あまり頻繁にやり取りをする方ではなかったため、どう受け止めてよいか分かりませんでした。お会いした時の印象はとても親切で優しい方だったので、ぜひ仲良くなりたいと思っていました。
それなのに返信がなかったことで、「何か怒らせてしまったのだろうか」「嫌われたのかもしれない」と、どんどん不安になってしまったのです。
考えれば考えるほど堂々巡りに
普段は皆さんに「そんなことは気にしないで」「他人軸になっていますよ」などとお伝えしている私ですが、いざ自分のこととなると、同じように悩んでしまいます。私も一人の人間なのだと痛感します。むしろ、自分自身がそうした経験をするからこそ、具体的なアドバイスが思いつくのかもしれません。
頭では「大したことではない」と言い聞かせようとするのですが、「そう思おうとしているだけではないか」などと、考えれば考えるほど堂々巡りになってしまいました。やはり、自分の中だけで客観的に物事を考えようとしても、限界があるのです。
パートナーがくれた客観的な一言
こういう時、私はパートナーに話を聞いてもらいます。話せる相手がいるというのは、とても重要なことです。すると、パートナーはこう言いました。
「LINEを返すか返さないかの基準は、人それぞれだからね」
そのひと言を聞いて、私はとても気が楽になりました。それが本当の理由かは分かりません。しかし、「そうかもしれない」と思えたことで、心が軽くなったのです。
相手の方が「これは特に返信しなくてもいい内容だ」と判断しただけかもしれない。一人で悶々と考えていると、どんどんネガティブな方向に思考が向かってしまいます。しかし、そのように捉え直すことで、それほど深く悩むことではないと思えてきました。
他人の視点を知ることの重要性
そんな時に、「返信の基準は人によって違う」という言葉は、非常に客観的な意見でした。私のパートナーの素晴らしいところは、私が困っているからといって、気休めに「そんなことはないよ」とか「相手が悪いよ」といった同情をしない点です。事実に基づき、あり得ることとして客観的な意見をくれるのです。
そのおかげで、私は腑に落ち、納得することができました。
この経験から、自分以外の他人の言葉によって、いかに心が救われることがあるかを実感しました。自分一人で客観的になろうとすることには限界があり、誰かに相談して自分にはない視点からの意見をもらうことが、いかに大切であるかを改めて痛感した出来事でした。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








