女性は10分後に
再び戻ってきた…

「さらに信じがたいことに、女性は約10分後にまたグリーン車に戻ってきました。再び車掌が追い出し、二度と姿を見せませんでしたが……。あきれたを通り越して、どっと疲れました。日本にいる時は日本のルールに従ってほしいものです」

 Bさんは疲労感を滲ませて事の顛末(てんまつ)を語ってくれました。

 グリーン車は、指定席料金にさらに課金して乗る、グレードの高い座席です。普通車よりも座席が広く、ゆったり休憩しながら移動したいビジネスパーソンや旅行者から支持を集めます。

 例えば、東海道新幹線のぞみの東京~新大阪の料金は、普通車指定席で1万4720円、グリーン車だと1万9590円(通常期)。差額は4870円です。5000円あれば豪華な夕食だって食べられます。それを投げ打ってでも、グリーン料金を払って座るのだから、嫌なトラブルに巻き込まれたくはありません。

普通列車でも
グリーン車でトラブル

 グリーン車といえば、新幹線や特急列車だけでなく、普通列車のグリーン車でもトラブルは起きているようです。

「総武線快速のグリーン車にアジア系の家族が乗ってきたが、グリーン券を持っておらず、勝手に座っていたところ、車掌さんから注意を受けていた。英語でも注意されたが、言葉がわからないと無視。お金も払おうとせず、迷惑極まりない人たちだった」(女性/60代/千葉)
 
 今回のようなJR東日本の列車の場合、駅のホームでSuicaでグリーン券を買うのがスタンダードです。東京~千葉で利用した場合、グリーン料金は750円(Suicaグリーン料金)。

 列車に乗ったら、座席の天井のカードリーダーにタッチします。ランプが赤から緑色のランプに変わったら「私はグリーン券を買っています」という証拠になります。

 買い忘れた場合は、もちろん後から車内で購入することは可能。その場合は、1010円となります(通常料金)。お金を払わないで居座るのは言語道断。不正乗車です。

不正乗車を繰り返した人の
意外な正体とは?

 このグリーン券のシステムを悪用した、けしからん事件もありました。

 2023年5月から今年3月にかけて、中央線や東海道線などのグリーン車に乗務するアテンダントらが、端末を不正操作して、同僚や友人をタダで乗車させていたというのです。不正乗車は合わせて28件確認され、被害総額は3万1660円に上りました。会社側は不正に関与した11人全員を懲戒処分、JR東日本サービスクリエーション社長の報酬の一部返上処分も発表しました。

 皆がしっかり料金を払う中、鉄道会社の「中の人」がズルをして不正乗車をさせるとは、非常に腹立たしいものです。グリーン車事件簿として、この件も記しておきましょう。

 列車では誰もがトラブルなく、快適に過ごしたいものです。「自分の席には、ルールを守って座る」。この当たり前のマナーこそが、車内秩序を守るための、もっとも基本的な前提です。

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