仕事や家庭問題、世の中が思うようにいかないことの愚痴もそう。眉間に皺を寄せて愚痴っても、どうなるものでもありません。もちろん、だれでも話を聞いてもらって、スッキリしたいことはあります。

 ならば、湿っぽくだらだらと話すより、「ちょっと聞いてー。もう笑っちゃうよね」と、笑いのネタとして話したほうが、互いに気がラク。「そんなに悩むほどのことでもないか」と、自己完結できますし。

 病気やトラブルなど笑えない話は、「10分だけ聞いてくれる?」と時間を区切って話すといいでしょう。愚痴ではなく、相談ごととして「どうしたらいいかな」と、問題解決するための会話が必要なときもあります。

 思っていることが言葉になることもありますが、逆もしかり。言葉にした途端、それが思考になり、現実をつくります。「愛のある言葉しか口にしない」と決めると、まわりに支配されて、心を病む時間がぐっと減るのです。

「会いたい人」に会いに行くのは
人生における最高のぜいたく

 いそがしくても、会いたい人には会いに行くようにしています。

 そんなふうに話すと、「自由な人はいいわね」なんて言われることがありますが、私はこれまで会社勤めをしていて自由な時間が限られていても、お金の余裕がなくても、少々無理をしても会いたい人に会うことを最優先してきました。

 尊敬する人に会えるチャンスがあれば、海外でも会いに行くし、学びたい人のもとには遠方でも何度も通い、余命を宣告された友人と旅するために、仕事をキャンセルしたこともありました。

 だれに会うかで、あっという間に人生は変わってしまう。「会いたい」と思う人は、なにかしら縁のある人で、それが実現できることは、最高のぜいたく。会ったことはないけど尊敬する人、また会いたい人、何度も会いたい人、最後に会いたい人など、自分の人生にいい影響を与えてくれることは間違いありません。

 そのことを理解している人たちは、ほんとうにフットワークが軽い。友人を通して知り合った社長は「ときどき、有川さんと話がしたくなるんですよね」と、年に1、2回、バスに乗るような気軽さで、飛行機で会いにきます。数時間、近況報告や考えていることをざっくばらんに話すことで、互いに学びや気づきがあり、相手の応援団のような気持ちになってきます。