口にするものをシェアすることは、無意識の安心感につながるのかもしれません。
ただし、押しつけは禁物。相手の好みや都合を考えながら、「いりませんか?」と尋ねて差し上げるのが、お福分けのマナーです。
“飲みニケーション”ではなく
「ふとしたときの10秒雑談」
いそがしいのに豊かな人は「後輩と親睦を深めるために、飲みに行かなければ」なんてことは言いません。労働時間外に後輩を誘っても、大抵は嫌がられるもの。“飲みニケーション”とは、お酒を飲みながらコミュニケーションを楽しみ、関係を深めることですが、良好な関係を築くためにはお酒が必要なわけではないでしょう。
そんな人たちは、同僚、家族、友人との会話にたっぷり1、2時間とるのではなく、こんなことをやっています。
*顔を合わせたとき、「挨拶+α」の10~30秒雑談をする
近所の人に「おはようございます。これからウォーキングですか?」
*話しかけたくなったとき「いま、ちょっと質問していい?」と声かけをする
同僚に「いいアイデアを思いついたので、意見を聞かせてくれる?」
*久しぶりに会ったときは「最近、どうしてました?」と互いの近況報告
趣味のサークルで「私、しばらく休んでいたんですが、ずっと参加されてました?」
 『いそがしいのに豊かな人のずるい習慣88 ていねいな暮らしはできないけれど』(有川真由美 扶桑社)
『いそがしいのに豊かな人のずるい習慣88 ていねいな暮らしはできないけれど』(有川真由美 扶桑社)
つまり、わざわざまとまった時間をとらなくても、仕事や生活の流れのなかで、ちょこちょこと、たわいのない短い雑談をしているのです。
大事なのは、中身の濃い話をしたり、なにかメリットがあったり、仲良くしたりすることではありません。“らくちんなコミュニケーション”をすることです。
飾らないカジュアルな会話を繰り返すことで、互いに「この人には話しかけやすい」「安心して話せる」という雰囲気が生まれ、なにかあったときに声をかけたり、相談したり、手伝ったり……と関係が深まっていくのです。
なにより大切なのは、言葉を交わすこと。家族やパートナー、同僚など近しい人ほど「いそがしくて会話がない」となりがち。顔と顔を突き合わせてじっくり話さなくても、「今日はどうだった?」というひと言で救われることもあるのです。







