発達障害の子どもが「13年で10倍に急増」の裏事情、ベテラン小児科医が解説現実に学校などから「発達障害では?」と指摘されて、小児科医に相談にくる事例の中には、医学的には発達障害の診断がつかない例も数多く含まれている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

集団行動ができない、友だちとのコミュニケーションがうまくいかない、集中力がない、ミスや忘れ物が多い、相手の話を聞いていない……近年、発達障害と呼ばれる子どもが劇的に増えているのをご存じでしょうか。しかし、小児科医の成田先生によると、本当に発達障害と診断されるお子さんはそこまで多いわけではないそうです。そこで今回は35年にわたって子どもの脳・育ちに向き合ってきた成田奈緒子さんの新刊『「発達障害」と間違われる子どもたち』から発達障害と間違われやすい「発達障害もどき」という状態について抜粋して紹介いたします。

じつは多い!発達障害と間違われる「発達障害もどき」とは

 私は、脳科学の研究をしながら、小児科医として発達障害が疑われる子どもの診療も行っています。また、教育の現場にも関わりを持ち、さまざまなお子さんの相談を受けている立場でもあります。

 そんな中で、気になっているのが「発達障害の子どもが増えている」というニュース。

 発達障害という言葉が浸透し、教育現場にも広まった結果、学校の先生が「発達障害のカテゴリーに入ると思われる子どもたち」を見つけることが多くなりました。