在日中国人が「日本人ファースト」の高市氏を歓迎する理由

 これまで、高市氏は外国人政策の厳格化を政策論点として掲げ、規制強化や「日本人ファースト」論を主張する動きが報じられている。

 しかし、在日中国人の声を拾ってみると、高市氏の当選に歓迎の声が多い。なぜだろうか?

 ここ数年、日本にやってくる中国人が急増している。「潤日(ルンリィー、RUN日)」という言葉が表すように、中国を脱出し海外へ、特に日本へ移住する人々のことを言う。法務省の統計によれば、その数は2023年時点で約82万人。日本に住む中国人が急増したことで、法律やルール、マナーを守らない迷惑行為が日増しに増えてきて、日本社会の反感を買っている。実は、こういった犯罪や迷惑行為に対して、日本人にとどまらず、在日中国人や中国国内にいる人々も怒りを爆発させている。

 来日して10年目になる、東京で飲食店や貿易業務を行う中国人男性経営者(40代)は、「私たちは日本の秩序や治安の良さ、価値観に惹かれて移住してきたのに、今、我々の一部の同胞が日本の医療や保険制度を悪用することが続出している。日本社会に悪い影響を与えている」と語る。

 彼はまた「このままでは日本の『良さ』が壊れてしまうのではないかと危惧している。我々の同胞がやったことではあるが、日本政府にも責任がある」と続けた。

「それは、日本の制度に抜け穴が多すぎるからだ。例えば、永住許可や帰化、さまざまな在留資格は、曖昧な点や穴だらけ。つまり制度が緩すぎて、悪用されやすい。こうした制度は誰が見てもおかしく、かえって悪行を助長している。特に永住許可に関しては、長く中国に帰っているのに、大きな病気を患った時だけ日本に来るという人がどれだけ多いか。なので、高市氏が今後日本の首相になり、ぜひとも本気で日本のそうした制度を見直して、隙間を埋めてほしい。とにかくもっと厳格化すべきだ」と強調した。

 もう一人、介護職の中国人女性(40代)は、「彼女(高市氏)の演説はとても中身があり、空虚なスローガンなど一切なかった。当選した時の挨拶演説を最後まで聞いて、私は涙が出た。彼女が本当に自分の国を愛していることが伝わってきて、とても心を打たれた」と感想を述べていた。