「日本版女性トランプ」の誕生か

 高市氏はこれまで、中国に対して強硬な姿勢をとってきた。靖国神社の参拝や歴史問題への見解など、一貫して中国が日本にとって「経済的・戦略的な脅威」であると強調してきた。ゆえに、今回の彼女の当選に対し、「日本版女性トランプの誕生」という声も少なくなかった。

 また、中国メディアは「日本の右翼政治家を代表する一人」「高市氏は中国に対して、何度も中傷的な発言をしてきた」とも報じている。従って今後、「官民ともに今後の日中関係には新たな衝突が避けられず、新しい試練に直面するのではないかと強く警戒する」といった論調の記事も多い。

 こうしたさまざまな意見が飛び交う中で、「日本初の女性首相誕生(の見込み)」については、「意外だ」という声が多い。

 理由としては、まず、2025年の「ジェンダー・ギャップ指数」において、日本は調査対象148カ国中118位。特に女性の政治参加が後退していると指摘されていることが挙げられる。さらに、多くの中国人には「日本は完全な男性社会で、日本の女性は大変控えめであり、男性に従順」というイメージがある。

 それなのに今回、女性が自民党の総裁として選出され、次期総理となる見込みであることは、「これはすごいことだ!アメリカでも女性の大統領はまだ現れていないのに」「ガラスの天井を破った。女性が自国のトップになる日本は、やはり民主国家であり、健全な社会であることの証だ」といった発言も少なくなかった。

 中国は女性の社会地位が高いことで知られている。「中国人の女性は強い」という定説もある。建国時から「男女平等」とされ、女性は各分野で活躍している。日本に比べ、女性の社会進出も進んでおり、ほとんどの世帯が共働きである。夫より妻の役職の方が上であり、年収が高いケースも珍しくはない。その中国よりも日本で先に女性の政治トップが登場しそうなことへの驚きや、「我が国には女性の指導者が現れるのだろうか」という声があった。