就活は「自分の頭で考える力」が評価される
大学受験は、テストの点数という絶対的な評価基準がありました。ですが、就活には「資格があれば内定が出る」や「英語が話せれば大手に受かる」といった基準はありません。
就活はすべて企業ごとに適性で決まるので、東大生でどれだけ学力が高くても落ちます。しかし、そんな評価基準がない就活でも評価される能力があります。
それが「自分の頭で考える力」です。自分の頭で考える力を、より具体化すると次の能力が評価対象となります。
・論理的思考力
・発想力
まず「課題設定と解決能力」とは、文字通り、自分で課題を見つけてそれを解決する能力のことを指します。
仕事は課題を見つけて解決することで売上を上げていくものなので、この能力が社会で必要とされることはよく分かりますよね。
次に、論理的思考力とは、主張に対して納得できる理由をセットで考えることができる能力を指します。
思いつきで「これだ」と主張するのではなく、納得できる理由を元に主張できる力のことですね。より簡単に言うと、「納得できる理由を用意できる力」だと言えるでしょう。
そして最後に、発想力とは新しいアイデアや施策を考える力を指します。
これらの能力は「自分の頭で考える力」という言葉でまとめることができますよね。
なぜ企業がこの力を求めるのか?
それは、企業は新卒を教育ありきで採用します。つまり即戦力よりも、将来的に活躍できる人材を採用しようとします。
そして、将来的に活躍できる人材になるために必要なことが、自分の頭で考える力なんですよね。
上司や教育係に何か教わったときに、ただそれをするだけでなく、自分でも考えて行動する。更にプラスアルファで取り組めることを自分で考えることができる。
こういう人材は将来活躍してくれるだろうと判断できるのです。
資格の有無以上に、企業が新卒に求めるのは「将来性」です。そして将来性を示すために、自分の頭で考える力を示すことが大切です。
選考で「自分の頭で考える力」をアピールする方法
ここまで就活では、資格よりも自分の頭で考える力のある人の方が評価される可能性が高いことを解説してきました。もちろん企業によって採用方針は異なるので、資格を持っている人の方を評価する企業もあることは前提です。
では具体的に選考でどのように自分の頭で考える力をアピールするのか?
強みで「私は自分の頭で考える力に自信があります」なんて言うのはNGで、この能力はエントリーシートの内容や面接での受け答えによって人事側が評価するものです。
エントリーシートや面接の受け答えの中で、何を持って評価するのか考えると、「理由」です。
「なぜそれが強みなのですか?」
「なぜそれに学生時代力を入れたのですか?」
「なぜ競合他社ではなくうちの会社でないといけないのでしょうか?」
こうした理由に対する回答が浅いと、考える力を評価されません。一方で、理由が深いと考える力を評価してもらうことができます。
そして理由を深くする方法は簡単で、「なぜ」を事前に繰り返し問いかけてください。
この方法は元々トヨタ自動車で使われた方法で、『なぜなぜ分析』と呼ばれています。
拙書『脇役さんの就活攻略書』でも、この『なぜなぜ分析』は何度も紹介し、ワークも入れたのですが、就活ではこの技術が有効です。作成したエントリーシートに対して、少しでも疑問に思う部分があれば、自分で「なぜ?」と深堀りする。
例えば「強みは発想力です。なぜなら毎日アイデア帳に考えたことをメモするのが好きだからです。」と書いたとして、「なぜ毎日アイデア帳にメモするのか?」「なぜアイデアをメモするのが楽しいのか?」「なぜスマホのメモじゃなくて紙のメモに書くのか?」など、深堀りできる部分がたくさんありますよね。
これら1つ1つに対して、2~3回は「なぜ」と問いかけて深堀りする。
そうすると、エントリーシート自体をより深い理由に推敲できますし、面接で「なぜ」と聞かれた時に、事前に明確化しているので答えやすくなります。
結果的に深い理由を回答できるので、「この学生は考える力がある」と評価されるんですよね。
特に僕は学歴も中堅大学でしたし、資格だけでなく、何か成し遂げた実績も一切ありませんでした。
それらを持つ人よりも評価されるためにはどうしようと考えたとき、このひと手間によって、とにかく理由を深めることが大事だなと考えたのです。
ぜひ「資格がなくて就活がうまくいくか不安だ」と悩む人は、資格の代わりに『なぜなぜ分析』を覚えて実行してくださいね。
今後も僕のポリシーである「自分自身が本当に読みたいと思える情報を発信すること」を大切に、記事を書いていきます!
皆さんの就活の役に少しでも立てれば幸いです。以上、就活マンこと、藤井智也でした。