目下、ロケットナウがもっとも“推している”のがバーガーキングだ。「お店と同価格でデリバリー」「送料、サービス料0円」といった広告を大量に掲出している。

ロケットナウのネット広告。バーガーキングの写真を使い「お店と同価格でデリバリー」と訴求している(著者がキャプチャしたもの)ロケットナウのネット広告。バーガーキングの写真を使い「お店と同価格でデリバリー」と訴求している(著者がキャプチャしたもの)

 バーガーキングの複数の店舗でスタッフに聞いてみたところ、ウーバーとロケットナウの配達比率は、以前50:50程度だったのが、今や70%以上がロケットナウになった店もあるという。

 バーガーキング以外でもロケットナウに加盟する飲食店が増えているようだ。ゴースト・レストラン(来店する顧客がおらず、デリバリー専門に特化した飲食店)でチェーン店化しているある飲食店に聞いてみたところ、「半数以上がロケットナウ」という答えが多かった。

ロケットナウの取り扱いステッカーを追加する店舗が増えている(著者撮影)ロケットナウの取り扱いステッカーを追加する店舗が増えている(著者撮影)

韓国での成功モデルと今後の展開

 しかし、配送料とサービス料がタダのままで、デリバリービジネスが続くわけはない。韓国でクーパンはどのように成功しているのかというと、月額制のメンバーシップ加入者サービスを行っている。月額7890ウォン(約835円)で、会員に対して「無料配送、無料返品、無制限動画サービス(OTT)視聴、無料飲食配達」を実施しているのだ。OTTとは、NetflixやAmazonプライム・ビデオのような定額制動画配信サービスのことである。そのため、今後は韓国と同じくクイック・コマースの再投入や、サブスクリプション・サービスの展開もありえるかもしれない。

 現在はもし、クイック・コマースを再投入しなかったり、同様な動画配信サービスの提供を行わないのであれば、Uber Oneより安価に提供するであろう。Uber Oneとは、Uber Taxi(ウーバータクシー)と配達サービスのどちらも利用可能な、月額498円または年額3998円で利用できるウーバーのサブスクリプション(定額)サービスのことだ。