デリバリー配達員写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍を契機に急成長したフードデリバリー業界。一時期は配達員バブルが起き、月収100万円稼ぐ猛者も現れた。当時に比べると外出規制のない今はそれほど“おいしい仕事”ではなくなったというが、いったいどれくらい稼げるものなのか。実際にやってみると、令和の人間模様が観察できたり、話題のマンションの中に入れたりとなかなか面白い体験だった。まったくコツを知らない状態で、電動アシスト自転車(装備は無課金)でチャレンジしてみた10日間。結局、いくら稼げたかというと……。(講演・研セミナー講師、マーケティング・コンサルタント 新山勝利)

Uber Eats配達員、コロナ禍には月収100万円達成の猛者も!

 フードデリバリーとは、お客がアプリで注文した料理を、デリバリースタッフが飲食店に行ってピックアップし、客へ配達するサービスのことだ。日本では長年、寿司やそば、中華料理の出前から始まり、ピザ配達などが主流だった。しかしこれらとフードデリバリーが違うのは、デリバリースタッフが飲食店の従業員ではなく、「デリバリーする」行為に対価が支払われる点だ。

 2016年9月のUber Eats日本上陸を皮切りに、アプリやウェブサイトからの注文が一般的になった。現在では、出前館やmenu、Woltなど、複数の業者が競争を繰り広げている。

 代表格はやはりUber Eatsだ。最近はコンビニやドラッグストアの出店も増え、料理以外の商品も扱うようになった。6月からは買い物代行サービス「ピック・パック・ペイ」も開始。Uber Eats配達員は現在全国で10万人を超え、さらなる事業拡大が進んでいる。

 フードデリバリーは米国や中国などではコロナ前から普及していたが、日本ではコロナ禍による在宅勤務の増加に伴い、2019年末頃からフードデリバリーの需要が急増した。この時期には、Uber Eatsを始めとする配達員の間で「配達員バブル」が起こり、月収50万円を稼ぐこともできたという。中には100万円を達成する猛者も現れた。

 しかし、現在では注文数が落ち着き、配達員の数も増加したため、以前ほどの高収入を得ることは難しくなっている。筆者は今年、実際にUber Eats配達パートナーに登録してデリバリーを行い、さらに数名の配達員にもいろいろ話を聞いてみた。