「ホッとしながら近づくと、誰もいない席を塞ぐようにスーツケースが。窓際に座った外国人男性が、大型のスーツケースを堂々と置き、占領していました。頭の上の荷物置きはすでに埋まっており、置き場所に困ったのかもしれません」
そこでAさんは勇気を出して話しかけました。
「私は勇気を出してその男性に近づき、カタコトの英語で荷物をどけるようにお願いしてみました。スーツケースを横に倒して、自分の足元に置くことだってできるでしょう。その場合、私の席も狭くなりますが、ここは譲り合いの精神です」
荷物をどけてくれない
どうすれば良かったのか
「しかし、男性は私に一瞥(いちべつ)すると肩をすくめて、『I don't know(わからない)』という言葉を繰り返し、スーツケースを指して『無理だよ』というジェスチャーをするだけで、荷物をどけてくれませんでした」
「私は、これ以上トラブルになるのを避けたい気持ちと、『この人は絶対に動かないだろう』という諦めの気持ちが湧きました。結局、私は他の席を探すことになり、『なぜこんな思いをしなければならないのか』と、許せない気持ちだけが残りました」
混雑した車両で、席を荷物で占領するのは、もちろんNGマナーです。自由席だからと言って自由に使って良いわけではありません。少しでも多くの人が座れるように努めるべきです。
気になることがあれば
乗務員に相談するのがよい
こうしたトラブルに遭ったら、どう対処すべきでしょうか。
荷物問題をはじめとする、インバウンド客とのトラブルについて、鉄道会社への問い合わせは増えているといいます。
JR東海に聞くと「車内にて他のお客様のご迷惑となるような行為を認めた際は、乗務員からお声掛けさせていただいております。もし車内にてお気付きの点やお困りのことがございましたら、大変お手数をおかけいたしますが、乗務員やパーサーへお申し出いただきますようお願いいたします」とのこと。
気になることがあれば、積極的に車掌さんなどに相談するのがよさそうです。実際に、車掌さんがトラブルを解決してくれたという報告も散見されます。