本来、肝臓が放出する1日のブドウ糖の量が150グラムなので130グラムの糖質を口から摂取する必要はないのですが、この量をもって、アメリカ糖尿病学会は2006年に糖質制限食の定義としたのです。

 ロカボで心掛けるべき2つ目の点は、朝昼晩の食事で各20~40グラム、おやつや間食で10グラムという具合に、1日の糖質量を均等にならすことです。ここで摂取量を“1日”ではなく“1食”ごとに算出したのは、1食に多くの糖質が偏ってしまうと、血糖値スパイクを起こしやすくなるからです。

おかずを減らすことが必ずしも
ダイエットに良いわけではない

 この「基準」にしたがうと、例えば白米茶碗1杯分(約150グラム)を半膳に減らすと、糖質は55.2グラムから28グラムに減り「基準」を下回ります。

 仮にから揚げ定食であれば、ご飯を減らした分、から揚げの数を増やし、冷ややっこなどの小鉢を足しても全く問題ありません。「糖質だけ」に気をつければいいのです。

 あるいは、食パンを薄切りのものにする。6枚切りの食パン1枚の糖質量は26.6グラムですが、8枚切り1枚だと約20グラムまで減ります。こうして糖質を減らした分、例えば朝食でおかずとしてパンと一緒に食べるソーセージの本数や卵の個数を増やしてお腹をいっぱいにするといいと思います。

 このように、おかずを増やして主食を減らす、麺類であれば麺の量を減らして具材を増やすのがロカボの基本です。満腹感を味わえるとともに、高血糖の“元凶”である糖質の摂取量を抑えられるからです。実際、私がロカボ指導を始めてから血糖値の改善率は80%に達しています。

 食品を買う際に糖質量を知るためには、パッケージの栄養成分表示を確認することです。

 20年4月に新たな食品表示制度が完全施行され、容器包装されている加工食品には必ず栄養成分が記されるようになりました。糖質表示があれば分かりやすいですが、ない場合は炭水化物の量がそのまま糖質の量と考えてよいでしょう。