iDeCoにあってNISAにないものは……
給与の節税効果
iDeCoは、ごく簡単にいうと「老後のためにお金を貯めると、税金が安くなる制度」だ。よく言われる税金メリットは次の3つ。
(1)毎月の掛金を払うとき…掛金は全額所得控除の対象となり、その年の給与等の所得にかかる所得税と翌年の住民税が少なくなる
(2)運用しているとき…運用で増えた分に税金がかからない
(3)受け取るとき…退職金や公的年金の税制が適用され、税金負担が軽くなる場合がある
3番目の「受取り時の税金」は、勤務先からの退職金の金額などによっては非課税にはならず、必ずしも税金面で有利になるわけではないので、誰もが受けらえる税金メリットは1つ目と2つ目の2点と考えていいだろう。
中でも、1つ目の「所得控除の対象となる」は、毎年の収入にかかる税金に対し節税効果があるので、見逃せない大きなメリットだ。今回の改正でiDeCoの掛金が拡大すると、毎年の節税効果も高まるのである。
「節税」は誰もが関心がある。ただ、実際の税額は、収入の額や扶養家族の有無などによって異なる。
では、iDeCoを利用すると自分の節税額はいくらになるのか。これが皆さんの知りたいところだろう。
そこで、当コラムの読者のために「給与年収別・扶養家族の人数別の節税額早見表」を作成した。
この早見表は「2025年最新版」だ。国民民主党による「年収の壁問題」で、今年は基礎控除拡大の税制改正があった。そのため、一部の年収で節税額に変化があった(=減った)が、この影響も反映した試算になっている。
勤務先のDC(企業型確定拠出年金)でマッチング拠出をしている人も、この早見表で節税額を知ることができる。
節税額は、所得税と住民税の合計額だ。税務上の扶養家族1人は、38万円の控除を取れる家族1人(配偶者、もしくは高校生の子)。掛金と年収、扶養家族の人数で、ご自身の節税額を見てみよう。