・仕事の各論で関われることは少ない
・上司も自分に遠慮している。あまりはっきり言わない
・今さら会社を辞める勇気も自信もない
・まだ家族のために働かなくてはならない
一方で、課長級のポストまで昇格する人は、会社にはよるものの、総合職の中でせいぜい全体の半数程度であろう。残りの人は、主任、係長級の立場で昇進・昇格は止まってしまう。50代で部長まで昇進する人はもっと少なく、課長ポストの3~4人に1人だけ。組織部長になれる人は、さらに4分の1から5分の1程度。全体のわずか1割程度である。
すでに昇進・昇格はないと
烙印を押される年上部下
一定の年齢までに課長や部長になれなかったのであれば、自分にはもうチャンスがないことは社員自身がよくわかっている。標準的なケースにおいて、課長職に昇進するのは30代後半くらいからになる。そして、課長なら40代後半、部長なら50代中盤までといった形で、たとえ明文化されていなくてもその年齢を過ぎてしまったら、昇進・昇格はないと烙印を押されたような状態になる。
若い後輩は次々とマネジャーになり、自分はその部下になる。重要な仕事や新しい仕事は「若手にチャンスをあげたほうがよい」となり、自分に回ってくることはない。

役職につかなかった人は、実は早期からこのような状況に直面している。そして、自身の思いと組織内での立場に折り合いをつけなから日々業務に取りくんでいる。
しかし、役職についていた人は、ポストオフ後に急にこうした状況に直面するのである。賃金が、周囲からの期待が、人事評価が突然下がる。当然モチベーションも下がり、自分の得意領域や、やりたいこと・やりやすいことに閉じこもりがちになる。「できれば面倒なことはやりたくない」と考えるようになり、自分の仕事が終わると周囲の状況に合わせることなく退社するなど、身勝手な行動に陥りがちになる。
そのような環境になれば、誰もがそうならざるを得ないのは仕方ないことだが、こうした心理状態は長く続く。自分でもその状態は良くないとわかりつつ、変えるきっかけが作れず、ズルズルとその期間が延びていく。