ネガティブさゆえに同僚にコントロールされ…写真はイメージです Photo:PIXTA

同じ言葉でも客観的な事実に基づき現実的に捉えられる人と、憶測でネガティブに捉えてしまう人がいます。また、相手がネガティブに捉えてしまうことを利用して陥れようとしたり自分に有利な状況にコントロールしようとしたりする人もいます。本稿では、ネガティブさゆえに同僚にコントロールされ「自分は希望の部署に行けない」と悩んでいた新人のケースを紹介します。※本稿は、舟木彩乃『あなたの職場を憂鬱にする人たち』(インターナショナル新書)の一部を抜粋・編集したものです。

「みんなあなたを誘いにくい」ライバルの言葉にモヤモヤ
あなたを憂鬱にする同僚たち

▼事例:ライバル同期の言葉に過度に反応

 矢野さん(仮名、女性20代)は、新卒でPR会社に入社してもうすぐ半年になります。彼女が就職した会社は、最初の数カ月は営業関連の部署に仮配属されることになっています。その後は、本人の適性や部署の必要人員数などを総合的にみて、そのまま仮配属部署に残留したり、他部署へ異動したりして、本配属先が決まることになります。

 矢野さんの同期入社は6名で、このうち矢野さんとHさん(女性20代)は、企画営業部に仮配属されました。矢野さんやHさんは、企画営業部に残留するのか別部署へ異動するのか、そろそろ本配属先が最終的に決まる時期が近づいています。

 企画営業部は、SNSなどを駆使したコミュニケーション力や営業力はもちろん、PR企画を立案するための緻密なマーケティングの知識も必要とされる部署です。同部にはSNSやYouTubeでインフルエンサーのようになっている人たちもいて、会社のPRに大きく貢献しています。

 いわば、社内では花形部署ともいえるところですが、大きな案件を取り扱うことが多いので、とても忙しい部署でもあります。また、飲み会やゴルフコンペなども頻繁にあり、社員同士の交流もかなり活発な部署でもあります。

 そういう先輩社員たちに囲まれている矢野さんですが、どちらかといえば消極的な性格で、自分に自信がありません。営業現場や飲み会などでも緊張しがちで、自分は部署の中で浮いていると感じることがよくありました。

 それでも彼女が企画営業部で頑張っていきたいと思っているのは、もともと緻密な作業や統計分析が得意で、就職活動でマーケティングができる会社にフォーカスしてきたからです。仮配属先の企画営業部のマーケティング業務は彼女にとって魅力的で、学生のときからやりたかった仕事でした。

 一方、矢野さんと同期のHさんは、明るく自信に満ちたタイプで、部署のイベントなどにも率先して参加しています。SNSも頻繁に更新していて、公私ともにキラキラした日常を写真や動画でアップしていました。同期ではあるのですが、矢野さんはHさんに対して少し苦手意識を持っています。知ってか知らずか、ときおりモヤモヤするようなことを言ってくるので、警戒している相手でもあります。

 部署の飲み会やイベントは、新人である矢野さんやHさんが幹事を任されることが多く、2人は順番に担当していました。