集中力が途切れたら「文房具」でリセット!今すぐマネしたい、東大生のリフレッシュ方法『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク

三田紀房の受験マンガ『ドラゴン桜2』を題材に、現役東大生(文科二類)の土田淳真が教育と受験の今を読み解く連載「ドラゴン桜2で学ぶホンネの教育論」。第93回は、長時間の試験における「集中力を持続する方法」について考える。

いかに英語で疲れないようにするか

 東京大学現役合格を目指す天野晃一郎と早瀬菜緒。2人が取り組むことになった期末テストは、なんと200分で120問を解くというハードなものだった。

 人間の脳が集中できる時間は諸説あるが、おおむね40分〜50分が限界とされている。小学校から高校までの1つの授業時間の長さと同じだ。

 だが、大学入試の試験時間はこの長さを超えることが多い。共通テストだと国語の90分、東京大学では、最長で理系の理科・文系の社会(それぞれ2科目選択)の150分だ。

 どうやれば長期間集中して勉強できるのだろうか。

 まず、テストの時のことを考えよう。だが、多くの教科では、同じテストでも大問によって分野や範囲が異なることが多い。国語に至っては現代文、古文、漢文とあり、もはや別教科だ。比較的集中力が持続するのではないだろうか。

 困るのは英語だ。たしかに和文英訳や長文読解、リスニングなど問題の出し方はたくさんあるが、母語ではない言語と長時間格闘するのには相当な集中力がいる。

 個人的なポイントは「日本語が介在する問題」の使い方だ。

 和文英訳や英文和訳、文法問題など日本語を必要とする問題をまとめて解くか、分散させて解くかということである。前者だと日本語と英語の切り替えが1回で済み、後者は定期的に日本語が介在することで英語に疲れないというメリットがある。どちらを選ぶかはその人次第だ。

 もっとも、共通テストとなると無味乾燥な英文を80分間読み続けなければいけないので、長時間の英語に慣れる能力はいずれにせよ養う必要はあるのだが。

あえて環境をコロコロ変えてみる

漫画ドラゴン桜2 12巻P115『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク

 次に、テストではなく日常の勉強のことを考えてみよう。

 勉強していると途中でスマホをいじりたくなり、気づけばYouTubeを1時間見てしまった、そんな経験がある人は多いと思う。もちろん、適度な休憩は大切だ。だが3時間ぶっ続けで勉強するよりも、1時間(50分勉強+10分休憩)×3の方が高パフォーマンスな場合もある。

 ぶっ続けでやる方が好きという人もいるが、そうでない人は勉強環境を細かく変えてみるのがいいかもしれない。例えば、勉強場所を学校→塾→カフェ→家のようなローテーションにしたっていい。

 私は高校生の時、学校で勉強する派だったのだが、放課後にテスト勉強をする時は、1組、2組というように1時間ごとに教室を移動していた。いちいち教材をしまわなくていいので、次の勉強をするための移行コストが低くなる。自習室にいる時も、トイレ休憩のついでに隣の机に移動するなど細かなところで席を変えていた。

 文房具を変えるのも1つの手だ。消しゴムを交換したり、シャーペンの芯を入れ替えたりするだけでも、自分の中のルーティーンにすることでなんだか気持ちが入れ替わるような気がするのだ。自分なりのリフレッシュ方法がみつかれば、おのずと集中できる時間も伸びていくはずだ。

漫画ドラゴン桜2 12巻P116『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク
漫画ドラゴン桜2 12巻P117『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク