大企業のトップとして
活躍する多くのOB

 アサヒビールといえばビール業界の老舗だが、地ビールをゼロから立ち上げたベンチャー企業の創業者がいる。門司港レトロビール会長の宮本正吾だ。2019、21年に同社のビールは、全国地ビール品質審査会で最優秀賞を受賞した。宮本は、小倉高校の同窓会である明陵同窓会の現会長でもある。

 ベンチャー企業の経営者は、他にもいる。医療、介護、家庭の留守番、レスキューなどさまざまなタイプの民生用ロボットの開発や製造を行っているテムザックの創業者で、現代表取締役議長の高本陽一がOBだ。

 永崎将利(まさとし)は、人工衛星の打ち上げや宇宙空間での利用に関するサービスを提供するSpace BDの社長だ。

 ビジネスや経済に関するコンテンツを配信するPIVOTの創業者・佐々木紀彦もOBだ。YouTube上の登録者数は330万人を突破したという。佐々木は元NewsPicks編集長だ。

 大企業で社長、会長などを務めたトップ経験者を、列挙してみよう。

「鬼十則」を作るなど「広告の鬼」と呼ばれた電通社長・吉田秀雄や、安川寛、利島康司、小川昌寛(いずれも安川電機)、中村為昭(住友金属工業)、正野寛治(三菱化学)、鎌田迪貞(九州電力)、木本元敬と明石博義(西日本鉄道)、田中浩二(JR九州)、小川弘毅(西部ガス)らが卒業生だ。このうち利島は25年7月に死去した。

 さらに、宮永俊一(三菱重工業)、大迫忍(ゼンリン)、池辺裕昭(エネット)、清田徳明(TOTO)、松尾憲治(明治安田生命保険)、佐藤義雄(住友生命保険)らがOBだ。

 このうち、松尾と佐藤は小倉高校の同級生で、生命保険協会会長の座を2012年から松尾が、13年からは佐藤が務めた。生命保険協会の会長は業界大手の輪番制であるが、くしき縁(えにし)といえよう。

 地元や九州に関わりの深い企業では、中村真人(井筒屋)、岡野正敏(岡野バルブ製造)、有薗憲一(ベスト電器)、後藤展洲(丸ふじ)、小嶋一碩(千草)、山家俊一(無法松酒造)らが卒業生だ。