「Seikoちゃんの強みは、ポージング指導力じゃない?」

 しかし、最初の1年目はお客さんの反応はほとんど無かった。

 ウェブサイトを作り、アメリカ人のモデルを集めて着物を着てもらって写真を撮ってサイトとSNSに掲載。しかし依頼は数えるほどで、日本からボストンに駐在する夫に帯同してやってきた女性たちから徐々に話が来てはいたが、細々としたビジネスだった。

 それが大きく変わったのはSNSでの発信内容を工夫してからだ。

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 着物系インスタグラマーは、既にたくさんいてそれぞれ色々な技術を発信していた。そこで、友達に相談したところ、こんなアドバイスをもらった。
 
「やっぱりSeikoちゃんの強みは、ポージング指導力じゃない?素人のお客さんをプロのモデルさんの様に表現させてあげる力があるよ」
 
 ただ着物を着てもらうだけではなく、着物を着た時にどうポージングすれば美しく写真に写ることができるのかということを、ダンサーだった彼女だから発信できる――。

「着物を着たら指先はこういう風にしましょう。頭蓋骨の位置はちゃんと背骨の上に乗せましょう。お腹は出さずに尾てい骨は真下に向けましょう」

 ダンサー時代に培った魅せる技術や知識を使って正しいポージングを紹介し始めてからフォロワーが伸びた。
 
 SNSは最初の1秒でコンテンツを見るか見ないかが決まる世界。そのためどういう情報を与えてくれるコンテンツなのかということを明確に伝えるように注意した。スクロールしていて何か面白いものが引っかかったら手を止めるわけなので、最初の1秒が重要だ。1秒で一体何の動画なのかが分かるようにしているという。
 
 また音楽の選び方やシンプルなアカウント名の設定についても、友達がアドバイスしてくれた。あの手この手でアドバイス通りにやっていったら、フォロワーが増えていった。
 
 口コミが広がり、日本の大手ゲーム会社の創業者夫妻がハーバード大学で講演するためにボストンに来た際に、着物の着付けをお願いされたり、東京大学の副学長がハーバード大学の学長就任式に参列した時にも着付けを依頼されたりするようになった。
 
 顧客層が広がっている理由は、SNS以外にもありそうだ。