『ばけばけ』第20回より 写真提供:NHK
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年半続けてきた著者による「読んだらもっとドラマが見たくなる」連載です。本日は、第20回(2025年10月24日放送)の「ばけばけ」レビューです。
「怪談は古臭い」と言われてトキはムッとなる
ランデブーからトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)が帰ると、試験が終わった錦織(吉沢亮)、庄田多吉(濱正悟)、根岸(北野秀気)と若宮(田中亨)が部屋に集っていた。
ランデブーをしていたと聞いて盛り上がる若者たち。庄田は「そっちもはんぶんじゃく」と自虐する。
合格を祈念し、前途を祝して、何回目かの乾杯をすると、場が盛り上がるような出し物をしようと根岸が言い出して、トキに白羽の矢が立つ。
「ありますけど一応」とあっさり自信満々なトキ。
「そげなそげな」と言いながら「すんません」とさくさく前に出る。こういうとき、引っ込まないで堂々としているトキが頼もしい。
ここで、トキが得意の怪談がたりを披露するのかと思いきや――。
怪談はなしで、と4人とも歓迎しない。気まずい空気が流れる。
根岸は錦織が大変な怖がりとその場をとりつくろうとしたが、錦織はうそはやめろと、本音を語り出した。
「怪談は正直、古臭くて好かんのだ」
目に見えないものの時代は終わり。日本は過去を振り返っている場合ではなく、海のむこう――。西洋を見ないといけないと錦織と庄田は言う。
秀才殿たちのご意見を聞いたトキはあからさまにむすっとなる。でも反論できる言葉を持っていない。
気遣いの根岸が「明日の朝はパンにしません?」と言い出す。西洋の食べ物パンをトキに食べてもらうことで、相互理解を深めようと考えたようだ。
錦織と庄司はパンを食べたくらいで、自分たちの理念は伝わらないと思うが、根岸はなかなか賢い人だと思う。
「明日の朝はパンにしましょう 明日の朝はパンにしましょう」







