胃がん検診受診率はなぜ
「東高西低」の傾向なのか

 図7-4では、2019年の各都道府県における男性(40~69歳)の胃がん検診受診率が表されています。図7-4から、全国平均48%で、最も高いのが山形県64.1%、最も低いのが長崎県41.4%となっており、がん検診の受診状況にも大きな地域格差が存在していることがわかります。

図7-4同書より転載 拡大画像表示

 ここで、興味深いのは、がん検診受診率では「東高西低」の傾向性を確認できることです。医療費は「西高東低」ですから、検診受診率と医療費には負の相関関係があることを理解できます。

 このような関係性が、どのような理由によるものなのかは正確にはわかりませんが、西日本では医療機関が多いこともあり、通常の保険診療のなかで精密検査を行っている可能性も考えられます。逆に東日本では医療機関が少ないため、医療機関を受診することが少なく、通常診療のなかで精密検査を受ける機会がないと考えられます。

 その結果、東日本では人間ドックなどを通じてがん検診を受け、ここで生じる検査費用は自費であり、保険が効かないため、そのぶん東日本では医療費が低くなっているのかもしれません。