ナイーブな心を持つ部下に言ってはいけないこととは?写真はイメージです Photo:PIXTA

仕事のミスや無断欠勤が絶えず、はては社交辞令を真に受けてしまう。そんな発達特性を持つ社員に対して、病気を自覚してもらおうと病院をすすめるなんて愚の骨頂。ナイーブな心を持つ部下に言ってはいけないこととは?※本稿は、佐藤恵美『部下の発達特性を活かすマネジメント』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

上司からの注意を
パワハラと訴える部下

 以下の出来事はある職場での事例で、文中の「Mさん」の上司が書いたものです。あなたがこの上司になったつもりで読み進めてください。

 Mさんが自分の部署に異動してきたのはちょうど1年ほど前になります。Mさんは当社にしては異動が多く、入社してからこれまでの10年余り、常に1、2年おきに異動を繰り返しています。

 以前の部署では、上司とぶつかったとか、取引先からのクレームが多く頻繁に担当を代わっていたなどと聞いています。ある日Mさんから欠勤の連絡があり、それから1週間出勤してきませんでした。

 出勤してきた時に欠勤の理由を尋ねたもののはっきりせず、その後もしばしば遅刻や突発休が目立ちました。

 Mさんは、これまでも周囲と衝突することが多く、そのたびに「上司は横暴だ、ハラスメントだ」「この組織はおかしい」と上司を糾弾することがありました。

 業務は非常に緻密に進めるため、成果物そのものには信頼を置けますが、いつも納期を大幅に過ぎるので、同僚や取引先からもクレームが上がります。

 上司がやり方を変えるよう注意すると、とたんに「自分は正当な仕事をしている」「いい加減な仕事をしているみんながおかしい」と攻撃的になってしまい、自分のやり方は一向に変えません。