相手からのサインである可能性も

普段の何気ないやり取りで相手から返信がなかった場合、それは「自分はあまり好かれていないのかもしれない」「相性が良くないのかもしれない」というサインである可能性もあります。

しかし、それはあなたが悪いとは限りません。知らないうちに相手を怒らせてしまった、生理的に受け付けないと思われているなど、相手側のさまざまな事情も考えられます。

いずれにせよ、その状況で追いかけても事態は好転しにくいものです。まずは、きちんと「待つ」ということを徹底してみてください。それだけで、人間関係はかなり改善されるはずです。

「待てない」ことの背景にあるもの

ちなみに「待てない」という特性は、ADHD(注意欠如・多動性障害)の傾向がある人にも見られます。「待つのが苦手」というのは、症状の一つなのです。私自身もADHDの傾向があるため、余計に待てないことがあります。

ADHDの特性の一つに「衝動性」があります。これは「やろう!」と思い立ったら、少し待ったり我慢したりすることができず、すぐに行動に移してしまう、というものです。この衝動性のために、待てずに連絡をしてしまうのです。

私も初対面の人に立て続けに連絡をしてしまい、「面倒だと思われているだろうな」と後から反省することがあります。人間、修行が大事ですね。このように、「待つ」ことは簡単なことではないと理解しています。

相手の反応を待つ練習を

しかし、もしあなたが「人間関係を少しでも良くしたい」と思っていて、そして「自分は待てていないかもしれない」と心当たりがあるのであれば、相手の反応を待つ練習をしてみてください。

もともと自然にできている人は、そのままで大丈夫です。しかし、「待てない」ことが原因で、なんとなく人間関係がうまくいっていない人は、実はかなり多いのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。