いま成人の3人に1人かかっている脂肪肝! 専門医として40年以上肝臓を治療する医師が提案する解決法が、『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)。脂肪肝に自覚症状はないものの、放置すると肝炎、肝硬変、肝臓がんと進んだり、脂肪肝を起点にさまざまな病気や症状も生まれたりします。糖尿病から、肥満、意外にもぎっくり腰や認知症まで、あらゆる不調の引き金にも。でも大丈夫! 肝臓は再生能力が非常に高いので、肝臓の脂肪を落とし、代謝、解毒、免疫をパワーアップすることで、さまざまな病気を遠ざけて、健康長寿を実現します。

【医師が解説】体にいいと信じていた果物で…肝臓が悲鳴を上げた理由Photo: Adobe Stock

「果糖」「果糖ぶどう糖液糖」に気をつけろ

 糖質のとり過ぎの原因は、ごはんや麺、お菓子の食べ過ぎはもちろんのこと、意外なところにも潜んでいます。

 私の患者さんで、知人から送られてきたシャインマスカットを4日連続で1房ずつ食べたら、あっという間に肝臓の数値が悪くなった人がいました。その後シャインマスカットを食べるのをやめたら、1週間ほどで数値が回復したのです。

 彼女いわく、血液検査に備えてよかれと思ってがんばって食べたそうなのですが、シャインマスカットに含まれる果糖が影響したのだと思われます。

 果物を嗜好品としてたまに食べるのは問題ないですが、ビタミンの宝庫だといって、健康のためにせっせと食べるのは、直ちにやめたほうがいいでしょう。

 主に果物に含まれる果糖は、ごはんやパンなどのぶどう糖とは違い、血糖値を上げにくい性質があり、インスリンを分泌せず、肝臓でのみ代謝されます。一見よさそうに思えますが、果糖は肝臓への負担が大きい糖なのです。

まさか! 乳酸菌飲料、ノンオイルドレッシング、野菜ジュースの罠

 果糖は果物のほか、菓子類、清涼飲料水などの加工食品に幅広く使われています。

 加工食品の原材料名の表示をチェックすると「果糖ぶどう糖液糖」など、「果糖」の文字がすぐに見つかります。健康のために毎日欠かさず飲んでいた乳酸菌飲料や、ダイエットのためのノンオイルドレッシング……。一見健康によさそうなものが、脂肪肝を作り出していることもあります。

 スポーツドリンクやエナジードリンク、果汁100%ジュース、缶チューハイなども要注意。

 野菜不足を補うためにランチのお供にしていた野菜ジュースにも、果糖が含まれているものが多くあるのです。

 同じ果糖でも、飲料では吸収のスピードがとても速いため、肝臓にダイレクトに影響してしまいます。「果糖ぶどう糖液糖」はできるだけ避けてください。

※本稿は『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。