ライザップの成功の秘訣は
“特別なプログラム”ではない
とある会社は、「糖質制限ダイエット」のプログラムを開発した。糖質制限ダイエットといっても、糖質をとらなければ誰でも痩せるので、特別なプログラムなどはさして重要ではない。
しかし、現実には「糖質をとらない」という自己管理ができないので、「糖質制限ダイエット」はなかなか成功しない。
そこで同社が作ったのは、トレーニングジムの体裁を取りながら、トレーナーが顧客の食事の指導・管理をするという原始的なプログラムだった。そしてこの指導・管理方法に心理学的要素を取り入れた独自のカリキュラムを作ったのだ。
ところが、このようなことをツラツラと説明してもわかりづらい。よほど意欲が高い人しか買ってくれない。
そこで同社は写真とコピーでワンメッセージを伝えた。
ブヨブヨの体の人が、引き締まって均整の取れた素晴らしい体になり、別人のように生まれ変わった比較写真を載せて、「たった2ヶ月で、このカラダ。」という言葉を添えた。
これが言わずと知れたライザップだ。
「糖質制限が~」「自己管理が~」などといった、くどくどした説明は入れない。
得られるベネフィットに一点集中したのだ。
このワンメッセージをきっかけに、ライザップは誰もが知る大企業となった。
新しい消費スタイルを作った
チョコザップの発想法
ライザップやその新業態であるチョコザップも同じように、市場規模から事業プランを考えたわけではなく、市場が存在しなかった領域に新しいマーケットを作り出した。
チョコザップは、まずテスト店舗を開いてからマーケティング調査を実施した。似たような業態を約40種展開し、どれがユーザーに受けるかを試行錯誤し、その結果「これならいける」とわかったところで、一気に展開したのである。
カラオケやネイルサービスを提供するというのも、既存のカラオケ市場やネイル市場がどうこうというより、「チョコザップでそういうこともできるなら行ってみようか」という新しい消費スタイルを作り出す発想である。







