先ほどの美人投票の話のように、誰かが「そんなの無理だよ」とか「ニーズがありません」と言っているのをそのまま受け止めていたら、これらの成功はなかっただろう。私も新商品を開発するにあたって、市場規模や消費者のニーズを測らなければならない時に、外部の調査機関に依頼することはまずない。

 では、実際にどうしているかというと、直接ターゲット層の人にその商品が欲しいかどうかを聞いてみるのである。もしターゲットが60歳の人なら、まずその年齢層の人100人とか200人に直接「こんな商品があったら買いますか?」とネットでアンケートをして聞いてみる。

 その中で「買う」と答えた人の数と、その年齢層全体の人数、そしてインターネット利用率をもとに売上の予測を立てる。統計的な手法による推測である。こうして、実際に自分でターゲット層にアプローチして取ったデータこそが、信頼できる指標になるのである。