チョコザップ写真はイメージです Photo:PIXTA

新商品を開発する際に、まずは外部機関に依頼して「市場調査を」と考えていないだろうか。それでは、ユーザーの真のニーズを知ることはできない。eコマース企業を創業し時価総額1000億円にまで成長させた敏腕経営者が、マーケティング調査の極意を語る。※本稿は、木下勝寿『戦わずして売る技術 クリック1つで市場を生み出す最強のWEBマーケティング術』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

常識を鵜呑みにする人は
ビジネスで一人勝ちできない

「美人投票」という言葉がある。美人コンテストにおいて、各自が「自分が美人だと思う人」に投票する場合と、「一番多くの人が美人と思うであろう人」に投票する場合では優勝者が違ってくる。

 これは株式投資の世界で広まった言葉であるため、株の性質上、「自分が有望だと思う株」よりも「一番多くの人が有望だと思いそうな株」に投資をした方が株価が上がるという意味で捉えられている。私はこの「美人投票」が悪い意味で投資の世界だけでなく、世の中のほとんどのことに当てはまると考えている。

 要するに、多くの人が自分で物事を判断するのではなく、他人の見解に安易に乗って、判断をゆだねている。これが現代社会の特徴だと言えるだろう。

 しかし、私はここに勝機を見出している。多くの人は自分で考えたり調べたりせず、世間で常識とされていることを鵜呑みにしている。

 一方、私は多数派の意見や世間の常識にむやみに従わず、何事も自分で考え、納得するまで追求することを大切にしている。実際、私自身が独自に考えた結果、世間の常識とはまったく異なる結論に至ることも少なくない。その結果「誰も考えていないが自分だけが考えている」ことで一人勝ちすることが多い。